事業資金のキャッシングは社長じゃないとできませんか

自営業を営んでいます。と言っても、個人事業主という言葉でイメージしてもらった方がいいくらいの小さい規模です。社長は私で、社員は妻と母しかいません。本当に小さいですね…。でもそのうち大きくしていくのが夢ですので、ここから頑張っていくつもりです。基本を間違えなければ顧客と長く続く職種ですから、その縁をたどって顧客を増やして行きたいものです。

今まで頑張っていた甲斐があって、事業の拡大を見込めるようになってきました。支えてくれた妻と母のおかげだと思っています。拡大には資金が必要です。物凄い大金が必要なわけではありませんが、個人で調達するには難しい額ではあります。そこで銀行系、消費者金融系どちらでもいいですが、借り入れを考えていまして…。

ここで問題なのが、過去、私が金融機関でブラックになっていることなんです。返済が終わって8年経ってはいますが、信用情報機関にはブラックとして記録されてしまっていますよね。こうなると私は借りられません。代わりに妻が申し込みをしてみると言っているのですが、事業資金を社長以外がキャッシングできるものなのでしょうか?身から出た錆なのは分かっていますが、アドバイスをお願いします。

借りられるのは事業主!どうしてもの時は代表者の変更を!

社員が奥様とお母様ですか。THE 家族経営という雰囲気でアットホームな会社がイメージできます。事業拡大も見込めるようになってきたということで、他のお二人も喜んでらっしゃるでしょうね!事業拡大に資金の借り入れをすることは普通ですし、今後の業績が見込めるのなら大いにオススメできます。計画的に利用して、計画以上の利益を得られるように頑張って下さいね。

さて、その資金繰りですが……なるほど、経営者がブラックですか。結論から言ってしまいますと、奥様が事業資金の借り入れをすることはできません。事業資金は「事業主」のみが借り入れをすることができる資金なんです。ですから、奥様が借りられるのは事業資金ではなく、個人、プライベートとしての借り入れになります。

それでは八方ふさがりになってしまうと思われそうですが、抜け道は二つあります。ひとつは、会社の代表を奥様にしてしまうこと。これなら奥様が事業主ということになりますので問題なく借り入れができます。しかし代表変更はまた面倒な一面が多いので、あまり積極的にオススメできるものでもありません。

とすると、もうひとつの方法の方が良いでしょう。「奥様にお金を借りて事業資金にする」という手段です。奥様の名義で銀行系なり消費者金融系なりで(事業資金なら銀行系が多く取り扱っていますね)で借りて、それを会社に貸すという形で資金を準備することができます。ただし、あくまで「借金」です。申告などはきちんとしなければいけませんし、返済実績も作らなければいけませんよ。

そしてブラックになってから8年という辺りが気にかかります。と言うのも、ブラックなど返済事故の情報は、信用情報機関からおよそ7~8年で抹消されるものなのです。もちろん、現在返済が完了している人の場合に限りますが……。

既にブラックでなければ、あなたが堂々と事業主として事業資金の融資を申し込むことができます。奥様が借りて、奥様からまた借りて、という面倒なことをしなくても良いわけです。もしかするとブラックではなくなっている可能性もありますので、信用情報機関に問い合わせをしてみてはいかがでしょうか?ブラックか否かわかっているだけでもこれからの方針が変わるかもしれませんし、ぜひ調べて下さい。

社長はキャッシング審査も有利なんですよね。え、逆に不利?

キャッシングとは借金ですので、安定的な収入が見込まれる人は、審査で有利になります。具体的に審査で有利になるのは、たとえば公務員などです。公務員は、収入に関しては抜群の安定性を持ちます。大きな事情でもない限り、途中で退職するという人も少ないでしょう。よって、キャッシングでは一番有利と言われます。(参考ページはこちら→融資で有利になる職業について

次に有利なのは、大企業の社員です。東証1部などに上場している会社の社員は、キャッシングでも信頼が高いものとなります。その次は、中小企業の社員です。そして次に、経営者、アルバイト、パートなどが続きます。

しかし、不思議です。社員よりも、経営者、すなわち社長のほうが信用力がないのです。もちろん大企業の社長ともなれば話は別ですが、中小企業の社長だと、実質はほぼ自営業者と同じような状況にあります。景気の影響を直接受け、売り上げの乏しい時期でも、社員の給与を何とかすると言うのが、中小企業の社長の動きです。

そう考えると、社員よりお社長のほうが、収入に安定性はありません、先月は100万円の黒字だったとしても、今月は200万円の赤字に泣いている可能性もあります。赤字であったとしても、従業員の給与を下げるわけにはいきません。結局、経営者自身が一番お金に苦労しているとも言えます。

また、中小企業の経営者や個人事業主は、キャッシングの審査の際に、所得証明などの書類の提出を求められる場合があります。これもまた、経営者や自営業者はお金を借りにくいと言われる要因の一つです。サラリーマンは書類は不要なのに、経営者は必要となってしまうと、そこだけ切り取って考えてみれば、経営者のほうが信用力が低いとも見えます。この点については、多分に誤解されているところです。
(⇒事業者がなんとしてもお金を借りるには

記入機関にとってみれば、貸し付ける相手の職業など、何でも良いのです。安定した収入が保証されているかどうかだけ知りたいのです。サラリーマンならば、会社名を聞けば、その収入も推定できます。しかし、経営者の収入は、社名を聞いただけでは分からないのです。よって、書類の提出を求められることがあるということです。

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